今年秋にオープンする木曽おもちゃ美術館
長野県は木曽町で今年秋にオープンする木曽おもちゃ美術館。その学芸員養成講座に参加させていただきました。ここは木曽町文化交流センター。木曽福島図書館と公民館も兼ねた素敵な施設です。
そしてさすが木曽。御嶽海一色です。
おもちゃ学芸員の名札も受け取り、期待が高まります。
東京おもちゃ美術館の方が講師となり、おもちゃの魅力や木育などについてお話をいただいたり、実際におもちゃで遊びながら楽しませていただく内容でしたが、はっきりいって初日だけでも学びが多くて2日目が楽しみになりました。
テーブルの上にはさりげなく木曽ひのきの「みにますつみき」と思われるおもちゃが。つい積み上げちゃうよねー。
おもちゃ美術館は「親子」で楽しむ「多世代交流」の美術館
おもちゃ美術館は日本各地に続々とオープンしていますが、「親子」で楽しむ「多世代交流」という社会的理念を持った美術館なのだそうです。つまり、子どもたちだけで来館したとしても中に入ることは出来ず、保護者との入場は必須。そして常に学芸員さんはお子さんとのふれあいを意識し、お子さんたちが遊んでいたら、一緒に遊ぶように促すことを大切にしているのだとか。
パパさん、ママさん、子供に勝手に遊ばせておいて、自分はスマホ見ているなんてダメですよ。
「木育」についても「木のおもちゃで遊ぶ」という単純なものではなく、木を使って「モノの演出」「空間の演出」「人生の演出」「コトの演出」などさまざまなアプローチで「木のファンになってもらうことを目指しているのだそうです。その演出のためにいろいろなデザインの仕掛けが考えられており、話を聞いているだけでワクワクがとまらなくなりました。
「遊び」というと子供がただ遊ぶイメージしかありませんでしたが、海外では遊び(play)は play the guitar(ギターを弾く)/サッカーをする(play soccor)/おもちゃで遊ぶ(play toys)のようにplayの意味合いは広く、「心の栄養として魂をワクワクさせるもの」という意味があり、もっと深いものだということも知りました。
「アニメーション(animation)」も、ラテン語の anima(魂)が語源であり、「魂」を吹き込み活性化させるの意味があり、子供が楽しむものという解釈はそもそも持っていないのだそうです。
つい言葉はわかりやすく単純化され、時には本来の意味とは違うものになってしまうことがありますが、本来の意味を知るとより理解が深まり、いままでとは全く違った視点でおもちゃというものを見ることができます。
もう、目からウロコが何枚落ちたことか・・・。
与えられすぎる遊びが奪っていく感性と発想
話を聞いていて「なるほど」と思ったのが(というかなるほどばかりだったのですが)、テレビやスマホのゲームは見たまんまの世界観を楽しんでいますが、積み木やおままごとなどは、実際にやっていることと頭の中で創造していることはまったく別の次元になっていることがあるということ。
例えば積み木でお城を作っていたら、その子の頭の中には雄大なお城がイメージされているかもしれないし、おままごとをしている子は頭の中でママになりきって眼の前には作っている最中の料理が鮮やかに再現されているわけです。
こういった感性をはぐくむ機会はまさにいま少なくなってきています。
そしてこれは実際に遊んだおもちゃの一コマ。
初めて実物を見たのですが、サイコロがついていて「ああ、なるほど、サイコロをふって出た色のスティックを抜いていくわけね」と思っていたら・・・
「おもちゃの遊び方は一つではないんです」って。
前の人が次の人に色を指定していったり、指の使い方を変えて取らせてみたり、リズムにあわせて取ったり、二人でチカラをあわせて取ったり、いくらでもアレンジができる。
遊びの固定観念をフリーにして自分たちでルールをつくり、楽しみの幅を広げていく。
これって筒けんでも同じようにできるわけで、実際に筒けんを使ったゲームもいくらでもアレンジして創造していくことができます。いままでもそれなりにやってはいたのですが、もっと広い視野で楽しむことができる。
話が面白くて夢中でメモをとっていました。
実はずっと気になっていたことが・・・
実は話を聞いてワクワクしながらもずっと気になっていたことがありまして、これはきっと意図的なのだと思うのですが、「おもちゃ美術館」ではなくて「おもちや美術館」になっているんですよね。
「キューピー」じゃなくて「キユーピー」である、みたいな。
そう思って調べてみたらこのロゴも「おもちや」になっている。
餅を売る美術館でないと思いたいけど、きっと意味があるはず。明日機会があれば聞いてみようと思っています。
(あとで聞いたら、小さい「ゃ」だとバランスが悪くなるので、デザイン的に大きくしているのだそうです)
今回突然にもかかわらず筒けんを紹介させていただく時間もいただき、筒けんがどうして生まれたかなどもお話させていただきました。常にけん玉と筒けんは持ち歩いているのが役に立ち、僭越ながら技の紹介などもさせていただくことができました。
1日目の日程だけでもワクワクが止まらなかったので、2日目が楽しみで仕方がありません。
おもちゃ学芸員養成講座はあと2回。8月と10月にも開催が予定されています。
おもちゃに対する概念がガラッとかわる学芸員養成講座、楽しいので時間が作れる方はぜひ参加してみましょう。
木曽おもちや博物館、オープンが待ち遠しいです。(2日目につづく)
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