できるから、たのしくなる! ~ 筒けん(つつけん) グッド・トイ2021「多世代交流賞」受賞
筒けんイベントレポート

紅白歌合戦2023 ~ 参加レポートとウラ話

紅白歌合戦で三山ひろしさんのバックでけん玉ヒーローズの一員として参加してきました

大晦日を締めくくる番組のひとつである「紅白歌合戦」。三山ひろしさんの歌とあわせてけん玉でギネス世界記録チャレンジに挑む企画はここ数年「大晦日の風物詩」になりつつあります。

「なぜ紅白でけん玉なのか」という意見など賛否両論があることも承知していますが、最近では歌手の後ろで一般の方が踊ることも多く、「紅白」という世界を身近に感じ、大晦日をみんなで楽しんで盛り上がろうという方向になってきているのかなとも思います。

歌は歌えなくてもけん玉で紅白のステージに立つことができるチャンスがあるって、ある意味すごくないですか?紅白に限らずどんなことでもそうですが、たくさんの意見がある中で正解はひとつじゃない。これはこういう趣向として楽しんでもらうのもありではないかなとも思います。

今回自分は2019年に続いて2回目の紅白歌合戦。実は参加は1回だけで十分!と思っていたのですが、今回声をかけていただいたときにとても悩みました。でもせっかくのお誘い、そしてけん玉関係者の中には筒けんで絡む方も少なくないため、全国から集まるけん玉ヒーローズの皆さんと交流ができる魅力に抗えず、最終的に参加させていただくことにしました。

上京

紅白歌合戦は12月31日の大晦日の夜の放送ですが、実は12月29日から練習とリハーサルが始まります。集合時間も直前にならないとわからないため、遠方の人は28日から東京へ。上田市はまだ新幹線があるので当日行くことができて恵まれているなあと思います。(※ちなみに全て自費で参加です)

東京駅は帰省客でホームがすさまじい混雑。そして渋谷は相変わらず人が多い。

それにしても外国人観光客と見られる方が本当に増えましたね。

そして来ましたNHK。今回ステージに立つメンバーのほかに、控えメンバーの方やスタッフなど、全国から集められた総勢130名以上のメンバーが時間どおりに集合。そして一同は練習場所兼待機場所となるスタジオの一室に案内され、いよいよ本番に向けての準備がスタートします。

練習開始

注意事項や説明などを聞いたあとで、実際の立ち位置をイメージして並び、三山さんの曲「どんこ坂」にあわせて一人ずつ大皿に玉を乗せていきます。

場所によってしゃがんで待機し、直前に立ち上がって大皿をやる人、ずっと立ったまま順番が来るのを待つ人など、待機の方法もいろいろ。さらに今回は128人もいるので、後半に行くほど待っている時間が長いので緊張感も足腰もつらいという、一見見ているだけではわからない大変さも。

実際に何回か練習をしてから、いろいろな事情を考慮して人の配置を入れ替えるなど、少しでも成功率がアップするように細心の注意を払っていきます。

このほか秒単位で進行する紅白のスケジュールを乱さないよう、入退場の仕方もしっかり練習します。なんせ130人近い人数が一気に移動して配置につき、終わったらすぐに退場しないといけないので、スムーズな移動も重要な練習なのです。

途中でNHKホールに移動して、実際の立ち位置やカメラの位置や動き方、入退場の流れなどを確認したりもします。

こうして初日は5時間近い練習とリハーサルを行い、解散。

お昼集合だったのでもうお腹はペコペコ。

ラーメンと筒けん。染み渡りました。

2日目

集合時間まで余裕があったので、高円寺にあるヨーヨーショップスピンギアさんへ。

店内にはヨーヨーはもちろん、けん玉や独楽、その他スキルトイがたくさん。

筒けんも置いていただいているんです。ありがとうございます。

突然お邪魔したにもかかわらず、ご対応いただきありがとうございました。

しばらく店内でお話をしていると店内が混んできたので失礼させていただき、NHKへと向かいました。

2日目の練習開始

この日も立ち位置の確認や入退場の流れなど打ち合わせをしていきます。

どこでカメラに映るかわからないので、キョロキョロするのはNGだし、大皿に玉を乗せたあとはまっすぐ前を見つめる。

何度となく同じ練習を繰り返しながら、みんなの気持ちを一つにしていきます。

NHKホールでのカメリハは実際の放送のときと同じように進行していくので、歌がスタートした途端に場の空気がピンと張り詰めたのがとてもよくわかりました。

この日も5時間近い練習とリハーサル。

休憩のときは和やかに話をしたり一緒にけん玉を楽しみますが、やはり緊張する時間も長いし、立ったり座ったりを繰り返すのでオジサンには疲労が蓄積されていくのがよくわかります。

さあ、翌日はいよいよ本番。

ただ、ギネスの達成はもちろん目的としてありますが、我々の一番の目的は「三山さんのステージを盛り上げること」。そのために一人ひとりが自分のやるべきことを粛々とやるのみ。がんばろう。

紅白歌合戦当日

そしていよいよ大晦日。紅白歌合戦の日です。

NHKの建物内も前日までとは異なり、人の数が違う。控室にも廊下にも関係者と見られる方々がたくさんいて物々しさすら感じます。

前日の放送から世間の見る目が変わった!?

実は紅白前夜に他局の『クイズ☆正解は一年後』という番組で芸能人の皆さんが紅白でやっているのと同じけん玉ギネスチャレンジに挑戦していました。

結果は3回挑戦して失敗。最大でも十数人までしか連続成功しなかったことで、それまで

「けん玉なんて見たくもない」

というようなネガティブな意見が多かったのに、放送後は

「これだけの人数を成功させるってすごいことなんだね」
「紅白のけん玉楽しみです」

といったポジティブな意見が急増。これは追い風が来たか!?

先日「正義を振りかざす「極端な人」の正体 (光文社新書)」という本を読んだばかりで、ポジティブ、ネガティブの両極端の意見の人はよくSNSで発信したりコメントを書き入れるが、 「サイレントマジョリティ」といったどちらの意見でもない大多数の人はそれほど熱心に自分の意見を発信しないので、「表にでてくる意見やコメントが世の中のメジャーな意見ではない」(※意訳)というのもちょっと思い出していました。

それでも、好意的な意見がでてくるのは当事者としては嬉しいですね。

 

さて、話をもとに戻して再び控室。

何度か最終チェックをしたあと、まだ本番まで時間があるので休憩と練習をはさみつつその時を待ちます。

そしていよいよ控室を出て会場となるNHKホールへ。他の出演者の方や関係者の方にも「頑張って~」と声をかけてもらいながらぞろぞろと向かいます。

今回の上着はパーカーだったので暖かかったですが、「4年前はTシャツだったので本当に待ち時間が寒かったな・・・」と思い出しながら歩いて行きます。

そして出番まで廊下で待機。いよいよ本番です。

いよいよ本番!

実際のテレビ放送では別の中継に切り替わっている間にけん玉ヒーローズの一行は速やかに入場し、自分の立ち位置に移動します。

リハーサルと違うのは会場の座席にはたくさんの観客のみなさんが座っています。自分の立ち位置は通路の階段だったので目の前にも後ろにも観客のみなさんがいて、「がんばって~!」など声をかけてくれます。

スタンバイしてまもなく三山さんの歌がはじまり、けん玉ギネスチャレンジも同時にスタートしました。

スタートした直後に大きなどよめき。

自分の立ち位置はステージ方向ではなく、側面を向いていたのでまったく様子がわかりませんでしたが、誰かが玉を落としたのはわかりました。でも10人以内なら再スタートできるルールなので問題はないはず。

会場内も一気に緊張感のボルテージが上がり、ちょっとしたどよめきが続きながらも、歌もけん玉の大皿も続いていきます。一度失敗してからの再スタートについても事前にしっかり練習はするのですが、いつも「この歌詞のあたりで自分の番に来る」という感覚がずれるので、調子が狂うのは事実。でも何度も練習してきたのであとは自分の任務をこなすのみ。

自分の番にまわってくるのがとても長い時間に感じられますが、順番が来てしまうとあっという間に終わる。人前は慣れているつもりですが、そうはいっても人間。100%はありえないので、場に飲まれないように気持ちを集中します。

結果は・・・記録達成!!(※あとで不達成に変更)

まわりの観客のみなさんとハイタッチして喜びを分かち合いながらも、すぐさま退場へ。

控室に戻るとどことなく雰囲気がおかしいのを感じていたら、実は達成していなかったということを告げられました。

ウラ話

紅白歌合戦でのけん玉ギネスチャレンジは生放送中ということもあり、通常のギネスチャレンジとは違う、イレギュラーな対応がとられます。以前別のギネスチャレンジに出た時や、ギネスチャレンジスタッフをしたときと比べると、これだけの違いがありました。

【通常のギネスチャレンジ】

・チャレンジは3回
・ギネス審査員は動きにあわせながら、目視しつつ移動
・チャレンジ終了後に少しでも疑問があれば繰り返しビデオチェックを行う

【紅白のギネスチャレンジ】

・チャレンジは2回(時間の関係で1回目は10人以内の場合のみやり直し可)
・ギネス審査員は定位置から全体を目視
・生放送なのでじっくり確認する時間もとれず、瞬時の判断が要求される
・今回やり直しがあったことにより、さらに時間が無い状況だった

※あくまでも自分で見た主観で、これが確実に正解なのかはわかりません

ギネスの審査員の方も今回2名来られていますが、カメラが通る道を歩いて確認するわけにいかなかったので当然死角は多かったでしょうし、しかもやりなおしによってただでさえ秒単位のタイトなスケジュールが余計に厳しくなってしまったことで気持ちが焦ってしまうのは容易に想像ができます。審査員もロボットではないのだから、イレギュラーが多い中で正確に判断するのは、こちらが考えている以上に難しいものではなかったかな?と会場にいた自分は思いました。

そして・・・今回玉を落としてしまった方も、前日の練習まで16番だった方が体調不調で急遽ピンチヒッターとして入った方。控えメンバーだったところが当日になっていきなり本番だったので、いきなりすぎて心の準備なんてできていないだろうし、状況としては普通ではなかったわけです。元々入る予定だった方も当然出る気満々で参加しているので、途中での交代は本当に無念だったろうし、ステージに立つ僕らはそういった方たちの思いも背負って出ていくわけです。テレビに映って世界中の人が見ている・・・だけでなく、別のプレッシャーもあることがなんとなくわかるでしょうか。

その後、当事者の方がYou Tubeで動画を出してくれました。彼の勇気に敬意を払うと同時に、コメントも暖かいものばかりでほっとしました。今後もみんなで彼らを応援しよう!!

ギネス世界記録達成はもちろんできたらいいけど、繰り返しになりますが今回の主目的は「三山さんのステージをけん玉で盛り上げること」。そして簡単ではないチャレンジをけん玉ヒーローズ一丸となってやろうとしているわけです。100%成功するならチャレンジではないわけで、挑戦する価値もない。そして達成できないこともあるからこそ、ヤラセではないわけです。

紅白歌合戦の生放送という場で挑戦している1人1人、そしてそれらをささえる控えの選手やスタッフ全てがどれだけ様々な思いや葛藤を抱えながらいるかが少しでも伝われば嬉しいです。

けん玉ヒーローズという素晴らしい仲間と一緒に挑戦させてもらえて感謝です。そして三山さんをはじめ、一緒に出演いただいた芸能人のみなさん、GLOKENスタッフ、ず~まだんけ、NHKのスタッフのみなさま、快く送り出してくれた家族、そして応援してくれたみなさま、本当にありがとうございました。

紅白終わって

終わって外に出たのは23時すぎ。終電があるので慌てて帰る人もいれば、カラオケオールに向かう人などさまざま。1日からパフォーマンスの仕事で始発の新幹線で帰るという猛者もいました。

「ああ、紅白終わってしまったんだ」というちょっとしたロスと心地よい疲れを感じながら自分は宿泊先へ。

都内の宿泊先が混んでいてとれず、だいぶ離れた場所になってしまったので年越しは電車内で。着いたとたんに疲労と空腹でフラフラでした。

よくわからない不思議なとりあわせで年越しならぬ年明けそば。

翌朝、窓を開けると富士山がきれいに見えました。今年もがんばろう。

三山さん、紅白歌合戦2023の思い出として動画を出していました。なんとプレゼントさせていただいた筒けんを使っているシーンがあって感無量。

これにて紅白レポートは終了。楽しかった~!

★「筒けん」「左きき用けん玉」 オンラインショップにて販売中!是非チェックしてね!
・筒けんの販売店はこちらでご確認ください

★動画や投稿は Instagram Facebook Twitter それぞれで公開中。